本文
平成28年2月県議会定例会知事議案説明要旨
はじめに
本日は、平成28年度当初予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。
議案の説明に先立ち、今後の県政運営に当たっての私の所信を申し述べさせていただき、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
県政運営の基本方針
私は、今月、知事としての任期の半ばを迎えます。
この間、昨年3月には、新たな県政運営の指針である「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」を定め、活力みなぎる県づくりへの挑戦を本格的にスタートさせるとともに、県政の最重要課題である人口減少の克服に向け、10月には「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定いたしました。
我が国が本格的な人口減少社会に突入する中で、本県としては、この問題に真正面から向き合い、将来にわたって元気な山口県を創っていくことが必要です。このためには、県内に人をとどめ、呼び込んでいけるよう、産業を活性化して新たな雇用の場を創出し、また、若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶えることができるよう、先駆的な取組を進め、確かな成果を上げていかなければなりません。
来年度は、これに向けて、総合戦略に基づく取組を本格的に始動させていく重要な年であり、チャレンジプランについても、計画期間の後半を迎え、施策の効果が確実に発揮されるよう、一層の取組強化が必要であると考えています。
また、昨年は、「世界スカウトジャンボリー」や「ねんりんピックおいでませ!山口2015」の開催、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録、さらには、「ミラノ国際博覧会」への出展などを通じ、山口県に大きな注目が集まりました。この好機を逃すことなく、本県の誇るべき魅力をさらに磨き、広く国内外に発信するとともに、県づくりの取組を大きく飛躍させ、新たな活力の創出につなげていきたいと考えています。
そして、これらの取組をより実効あるものとしていくため、市町はもとより、企業や大学、民間団体、県民の皆様とこれまで以上にしっかりと連携・協働し、総力を結集して、諸施策を力強く推進していく考えです。
私は、県づくりの基本目標である「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、今後とも全力で取り組んでまいりますので、県議会をはじめ、関係各位のなお一層の御支援、御協力をお願いいたします。
平成28年度当初予算
さて、平成28年度の当初予算編成について、御説明申し上げます。
まず、我が国経済は、このところ一部に弱さが見られるものの、緩やかな回復基調が続いており、先行きについても、緩やかな回復に向かうことが期待されています。
しかしながら、中国をはじめとするアジア新興国等の景気の下振れや、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があるとされています。
こうした情勢を踏まえ、国においては、「経済財政運営と改革の基本方針2015」に盛り込まれた「経済・財政再生計画」に基づき、「デフレ脱却・経済再生」への取組と、改革工程表を十分踏まえた歳出・歳入改革を着実に推進するとされています。
この考え方の下、国の平成28年度一般会計予算案は、一億総活躍社会の実現をはじめとした重要課題に取り組むとともに、「経済・財政再生計画」に沿って、経済再生と財政健全化の両立を実現することを基本に編成され、その総額は、前年度に比べ、0.4パーセント増の96兆7,218億円となっています。
次に、平成28年度の地方財政については、地方税が増収となる中、地方交付税総額は前年度と同水準を確保しつつ、臨時財政対策債の発行を大幅に抑制し、一般財源総額については、前年度とほぼ同水準が確保されたところです。
また、地方創生に必要な経費として、「まち・ひと・しごと創生事業費」が前年度と同水準で措置されるとともに、高齢者支援や情報システム改革等の重点課題に取り組むための経費や、公共施設の老朽化対策のための経費が拡充されたところであり、その結果、地方財政計画の規模は、前年度に比べ、0.6パーセント増の85兆7,593億円となっています。
このような国・地方を取り巻く諸情勢の中、本県財政は、構造的に歳出水準が歳入水準を上回り、基金残高が減少傾向にあることに加え、来年度においても220億円の財源不足が見込まれる大変厳しい状況にあったところです。
このため、来年度の予算編成に当たっては、所要財源の確保を最優先とし、歳入・歳出両面からの徹底した財源確保対策に、全庁挙げて取り組むとともに、国に対しても、退職手当債の発行延長や地方一般財源総額の確保等について、年末の要望等を通じて強く働きかけ、財政収支の均衡に向けて全力で取り組んできました。
一方で、最重要課題である人口減少の克服や環太平洋パートナーシップ、いわゆるTPP協定への対応など、本県が直面する緊急課題については、積極的な取組が必要です。
こうしたことから、来年度予算については、「活力みなぎる県づくり」を推進するため、「人口減少克服に向けた取組への重点配分」、「国の取組と一体となった緊急課題への対応」、さらには「財政収支均衡に向けた緊急的な財源確保対策等の実施」の3つを基本方針とし、平成27年度2月補正予算と一体的にその編成に取り組んだところです。
それでは、予算編成における基本方針の1つ目として、「人口減少克服に向けた取組への重点配分」について、御説明申し上げます。
今回の予算編成では、本年度予算で掲げた「日本一」の実現に引き続き取り組むとともに、県民や市町をはじめ、県内の幅広い主体と連携・協働をこれまで以上に重視しながら、「チャレンジプラン」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を着実に推進することとしています。
このため、総合戦略における基本的な施策の方向に沿って策定した、施策重点化方針に基づく6つの重点項目について、優先順位を明確にした上で、実効性のある予算の重点配分を行いました。
その主な内容を御説明申し上げます。
最初に、産業力の強化と中堅・中小企業の成長支援についてです。
本県の特性や強みを活かし、中堅・中小企業の成長支援や、きめ細かな創業支援体制の充実等により、若者や女性にも魅力ある雇用の場の創出に取り組みます。
まず、産学公金の連携により、産業振興と雇用創造を一体的に推進し、県内中堅・中小企業のブランド力・競争力の向上による雇用創出を図るとともに、次世代産業クラスター構想に資するベンチャー企業の円滑な立ち上がり支援として、助成制度を創設します。
また、官民連携により、山口県版「地域商社機能」を構築し、首都圏市場における地域産品の販路開拓等を行う体制を強化するとともに、情報通信産業等を対象とした企業立地に対する助成制度について、対象業種の拡大等を行います。
さらに、創業希望者の多様なニーズに対応するため、チャレンジモールやコーディネート機能を持つ「まちなか創業支援施設」を提供し、実践的な支援等を行うことにより、まちなかでの円滑な創業を促進するとともに、大都市圏での「転職フェア」に出展し、県内企業のニーズに沿ったプロフェッショナル人材の県内還流を促進します。
こうした産業力強化や中堅・中小企業の成長支援の取組をはじめ、「産業戦略推進計画」に関連する事業の充実にも努めており、目標の着実な達成に向け、積極的に取り組むこととしています。
次に、「やまぐち観光維新」の推進についてです。
観光交流人口の一層の拡大と地域の活力の維持・創出に向けて、昨年12月に制定した「おいでませ山口観光振興条例」に基づき、全県を挙げた観光維新の取組を推進します。
まず、観光地経営の視点に立った観光地域づくりを推進する「やまぐちDMO」の形成に向けて、専門的な知見のある人材の配置や、新たな観光周遊ルートの開発とテストマーケティングを実施します。
また、全国のJR6社と連携し、平成29年度に本県で実施するデスティネーションキャンペーンを最大限に活用した、訴求力のあるプロモーションなどを展開し、本県への誘客対策の強化を図るとともに、海外に向けた効果的な情報発信の強化と受入体制の充実に向けた取組を一体的に行い、本県への外国人観光客の誘致を促進します。
さらに、中小企業制度融資において、条例の制定にあわせ、観光施設の魅力向上に向けた取組等を支援する新たな資金を創設するとともに、スポーツ振興による交流人口の拡大に向け、サイクルスポーツのシンボルイベント等を開催し、「サイクル県やまぐち」の展開を図ります。
次に、元気な農林水産業の育成についてです。
喫緊の課題である担い手不足やTPP協定など、農林水産業を取り巻く厳しい環境を克服するため、経営体質や産地競争力の強化等を図り、新規就業者の受け皿となる元気な農林水産業を育成します。
まず、複数の集落営農法人による連合体を育成し、本県農業の経営体質を強化するとともに、漁業者の所得向上と地域経済の活性化を図るため、下関漁港市場の高度衛生化と一体となって改修に取り組む漁船に対し支援を行います。
また、TPP協定を踏まえ、産地競争力を高めるため、高収益な作物・栽培体系への転換に向けた取組を支援するとともに、かんきつをはじめとする本県の主要農産物の高品質化・ブランド化を推進します。
さらに、山口米の流通販売拠点等の整備に対し支援を行い、産地競争力の強化を図るとともに、畜産経営の体質強化に向け、食鳥処理場の整備を支援します。
このほか、就業後における定着支援給付金制度等による担い手の確保・育成に取り組むとともに、農林水産物等の更なる需要拡大を図るため、地産・地消の着実な推進に加え、「ぶちうま売込隊」による大都市圏への販路拡大や、台湾・香港等への輸出の拡大に取り組みます。
次に、県内への定着・還流・移住の推進についてです。
県外への人口流出を食い止めるため、産学官の連携により、県内大学等が地元就職率の向上に取り組む「COCプラス事業」とも連携を図り、若者の県内就職を促進するとともに、幅広い世代の県外在住者を本県に呼び込む取組を推進します。
まず、大学生とのディスカッション等を通じ、県内大学等が持つ魅力や良さについて、広く高校生等に周知を図るとともに、県内中小企業の魅力に触れる機会の創出等により、若者の県内就職・定着につながる取組を促進するほか、大学や企業の取組と連携し、県内企業での大学生インターンシップを総合的に推進します。
また、県外に向けた「やまぐち暮らし」の魅力発信を強化するとともに、官民連携により「やまぐち移住・還流ツアー」を実施するほか、移住希望者の来県に係る交通費の助成や、移住者が移住者を支える仕組みづくりとして、「やまぐち移住倶楽部」を創設するなど、受入支援の一層の充実を図ります。
次に、結婚・出産・子育て支援の充実についてです。
県民が安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現のため、「やまぐち子育て連盟」を中心とした子育て県民運動を推進するとともに、結婚・出産・子育てを支える切れ目のない支援を行います。
まず、若い世代等の結婚の希望が叶えられるよう、やまぐち結婚応縁センターを核とした、出会いから成婚までの一貫した支援を引き続き行います。
また、安心して出産できる環境整備として、産科・産婦人科医師等が不足している圏域に対し、医師確保のための緊急的な支援を行うとともに、助産師等を活用し、周産期医療体制の強化に取り組むほか、特定不妊治療、男性不妊治療における助成制度の拡充を図ります。
さらに、子育てに対する経済的負担の軽減として、国の制度拡充を踏まえ、これまでの保育料軽減制度に加え、多子世帯については第2子、ひとり親世帯等については第1子から、所得に応じた保育料の軽減制度の拡充を図るとともに、県内の保育士確保に向け、新卒者確保や再就職支援等の取組を推進します。
また、地域の各主体が子育てに関わり、みんなで子育てを応援する社会の実現に向けた取組として、民間企業等との連携により、「やまぐち子ども・子育て応援ファンド」を創設し、子育て支援団体の活動を支援するとともに、「やまぐち子育てサポーターバンク」を設け、地域の高齢者や子育て経験者等が主体的に地域の子育て支援活動に参加してもらう仕組みづくりに取り組みます。
加えて、三世代同居・近居世帯は、子どもの数が多いという傾向の中、本県の同居率が全国平均を下回っている状況を踏まえ、世代間の支え合いによる子育てしやすい環境づくりとして、民間と連携した推進協議会を設立するとともに、三世代同居・近居の希望者に対し、協賛企業の各種割引特典等を受けることができるパスポート制度や、住宅改修費等に対する助成制度を創設します。
このほか、本年4月に、全国で唯一100%の設置を達成する見込みとなる、小・中学校のコミュニティ・スクールについて、山口CSコンダクターの全市町配置や相談体制を強化することにより、「やまぐち型地域連携教育」の一層の充実を図ります。
次に、活力ある地域づくりの推進についてです。
中山間地域での集落機能の維持・活性化と地域の活力の創出を図るとともに、持続可能で安心して生活できる元気な地域の形成に取り組みます。
まず、遊休施設等を活用したサテライトオフィスの中山間地域への誘致に向け、市町と連携して受入支援等を行う「サポートセンター」を設置するとともに、開設経費等に対する新たな助成制度を創設します。
また、中山間地域における事業・サービスの創出・継続を後押しするため、市町・商工団体・信用金庫等と連携した「移住創業支援チーム」を設置するとともに、移住創業者の施設改修費等に対する助成制度を創設します。
さらに、平成29年から開始される新たな専門医制度を活用し、過疎地域病院やへき地診療所への医療提供体制の強化を図るとともに、「やまぐち社会貢献活動支援ネット」への登録促進等に取り組み、県民活動の活性化による地域の絆づくりを推進します。
続きまして、その他の主要な関連事業について、プランの政策の柱に沿って御説明申し上げます。
まず、産業活力創造戦略として、企業局と連携し、民間コンサルティングを活用した戦略的な企業誘致活動を実施するとともに、高度な専門知識を有する産業人材確保のため、引き続き、奨学金の返還支援制度を実施します。
また、やまぐち農林振興公社に設置した、やまぐち6次産業化・農商工連携サポートセンターを中心に、新商品の開発や販路開拓を支援するとともに、地域の畜産の収益性の向上・競争力の強化を図るため、畜産経営体が行う施設整備に対し支援を行います。
次に、地域活力創造戦略として、人口減少、少子高齢化が進行する中、地域が将来を見据えた維持・発展ができるよう、コンパクトなまちづくりを推進するとともに、平成30年の第35回全国都市緑化やまぐちフェアの開催に向けた準備を進めます。
次に、人材活力創造戦略として、高校生最大のスポーツの祭典「平成28年度全国高等学校総合体育大会」を中国ブロックで開催し、本県において6競技6種目を実施します。
また、保育士、ひとり親家庭及び児童養護施設からの退所者等に対し、就職等に必要な経費に対する新たな貸付金制度を創設します。
次に、安心・安全確保戦略として、災害教訓伝承セミナーの実施等により、地域防災力の充実強化を図るとともに、不特定多数の者が利用する大規模建築物等の耐震化を促進するため、耐震補強設計に係る助成制度を創設するほか、災害時及び非常事態発生時の拠点施設である山口警察署の整備を推進します。
なお、平成27年度に創設された国の再編関連特別地域整備事業については、岩国・和木・大島地域の産業振興や安心・安全対策を推進するため、交付金や基金等を活用し、事業の着実な進捗を図ります。
次に、基本方針の2つ目として、「国の取組と一体となった緊急課題への対応」について、御説明申し上げます。
本県では、来年度当初予算と、国の補正予算で創設された地方創生に係る交付金等を活用した平成27年度2月補正予算を一体的に編成することにより、最重要課題である人口減少対策や、TPP対策等の緊急課題に的確な対応を図ることとしました。
特に、まちなかでの創業支援を中心とした「日本一創業県やまぐちの推進」や、魅力ある観光地域づくりを目指した「やまぐちDMOの推進」、さらには農林水産業の生産基盤の整備など、本県の緊急課題として早期に取り組むべき事業には、積極的な予算措置を講じました。
次に、基本方針の3つ目として、「財政収支均衡に向けた緊急的な財源確保対策等の実施」についてです。
まず、財政の硬直化の要因となる県債については、地方財政対策等を踏まえ、将来にわたる県財政への影響も十分に吟味した上で対応した結果、公債費から県債発行額を差し引いたプライマリーバランスは、5年連続の黒字を継続し、その額も過去最高の水準となったところです。
また、一般分の県債残高についても、平成14年度末をピークに14年連続で減少傾向を維持しており、特別分と合わせた県債全体の残高についても、平成25年度末をピークに減少に転じ、3年連続で減少させることができる見通しが立ったところです。
一方、予算編成の過程で明らかとなった220億円の財源不足に対しては、発行が今年度末までとなっていた退職手当債について、国に対し制度の継続を要望するとともに、県においても、その解消に向けて、歳入・歳出両面のあらゆる角度から、徹底した財源確保の取組を行ったところです。
具体的には、歳出面においては、職員給与費の総額抑制を図るとともに、本年度実施した事務事業の総点検や政策評価の結果に基づき、内部経費の削減をはじめ、事業の優先順位付けや事業内容の見直しを行うなど、歳出内容の徹底した精査にも取り組んだところです。
また、歳入面においては、昨年度制定した債権管理条例に基づく未収金対策や、未利用財産の売却促進など既存の取組に加え、特定目的基金の取崩しや他会計からの繰入れなど、保有財産の効率的な活用等も図り、緊急的な歳入の確保に最大限努めました。
これらの取組を行っても、なお、財源不足を解消することは困難であったことから、今後の財政運営への影響を見極めながら、最終的には基金の取崩しにより対応を図ったところです。
このようにして、来年度予算の編成に取り組んだところですが、基金残高の減少は、今後の弾力的な財政運営に支障を来すことが懸念されることから、私は、来年度の予算執行段階においても、プランの活力指標に掲げた「財源調整用基金残高の確保」の達成に向け、経費の節減に最大限努めるとともに、財源確保の取組を継続し、将来にわたって持続可能な財政構造の確立に全力で取り組んでいかなければならないと考えています。
これらの結果、議案第1号に係る一般会計の総額は、前年度当初予算に比べ、0.6パーセント減の7,025億9,200万円となりました。
なお、一体的に編成を行った平成27年度2月補正予算の追加事業分41億円と合わせますと、一般会計予算の総額は、前年度当初予算とほぼ同額となっています。
一方、歳入予算についてですが、まず、県税収入について、企業収益の改善や税制改正の影響により、法人事業税の増収が見込まれること等から、前年度当初予算に比べ、0.5パーセント増の1,786億2,600万円を計上しています。
また、地方交付税については、地方財政対策に伴い、前年度当初予算に比べ、1.2パーセント減の1,714億円を見込むとともに、県債については、特別分である臨時財政対策債の減少により、前年度当初予算に比べ、3.1パーセント減の853億5,100万円を計上しています。
以上が、議案第1号に係る平成28年度一般会計予算の概要です。
次に、議案第2号から議案第16号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、その予算規模は、母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか14会計を合わせ、総額1,932億1,700万円となっています。
条例、事件議決
議案第17号から議案第47号までは、条例の制定及び改正に関するものです。
その主なものを御説明しますと、
議案第17号は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号等の利用について、必要な事項を定めるため、
議案第18号は、地方公務員法等の一部改正に伴い、営利企業等に再就職した元職員の退職管理の適正を確保するため、
議案第19号は、山口県国民健康保険財政安定化基金を設置するため、
議案第20号は、消費者安全法の改正に伴い、消費生活センターの組織等について、必要な事項を定めるため、
それぞれ条例を制定するものです。
議案第21号は、地方公務員法等の一部改正に係る法律の施行に伴い、改正を要する関係条例について、
議案第22号は、学校教育法等の一部改正に係る法律の施行に伴い、改正を要する関係条例について、
それぞれ一括して整備等を行うものです。
議案第23号から議案第47号までは、いずれも条例の一部を改正するものであり、人事委員会勧告に基づき、給料表の給料月額及び諸手当の改定等を行うため、また、維新百年記念公園の利用料金を改正するなどのため、それぞれ関係条例の一部を改正するものです。
議案第48号から議案第51号までは、工事請負契約の締結等に係る事件議決に関するものであり、それぞれ県議会の議決をお願いするものです。
議案第52号は、人事案件に関するものであり、教育委員会の委員の任命について、県議会の同意をお願いするものです。
教育委員会委員 山縣俊郎氏は、来る3月16日をもちまして、その任期が満了します。
つきましては、後任の委員の任命を要するのでありますが、私としては、佐野勇氏を最適任と考え、ここにお諮りいたします。
なお、同氏の御経歴は、お手元に配布しました履歴書のとおりです。
平成27年度補正予算等
議案第53号から議案第68号までは、平成27年度の各会計に係る補正予算に関するものです。
議案第53号は、一般会計補正予算です。
今回の補正予算は、国の補正予算に対応し、地方創生に係る交付金の活用や補助・直轄公共事業の追加実施を行うほか、県税収入等の歳入財源の確定見込み及び各事業の最終見込みにより、所要の補正を行うものです。
まず、歳入予算についてですが、県税収入について、原油価格の下落を背景とした地方消費税の減収や、特別損失等による法人関係税の減収が見込まれること等から、23億9,500万円の減額補正を行っています。
なお、法人関係税等の減収分については、国の財源補てん措置を活用し、減収補てん債39億円を計上しています。
また、地方交付税については、7月算定等の結果、29億6,900万円を減額するとともに、その他、国庫支出金及び県債等については、歳出予算との関連など、確定見込みにより、それぞれ所要の補正を行っています。
次に、歳出予算については、まず、国の補正予算関連経費として、交付金活用事業9億2,100万円、TPP対策や防災・減災対策を中心とした補助・直轄公共事業31億9,500万円を追加するとともに、地域医療介護に活用する基金の積増しや介護人材等に係る貸付制度の拡充等を図ることとし、合わせて74億5,100万円を計上しています。
このほか、災害復旧費における最終整理、その他事業の最終見込みによる所要の補正を行うとともに、年度間の財源調整を図るため、地方財政法の規定に基づき、財政調整基金に平成26年度決算剰余金の一部、25億6,600万円を積み立てるほか、今後の県債の償還に備えるため、減債基金に15億円を積み立てることとしています。
以上の結果、議案第53号に係る一般会計補正予算の総額は、196億3,100万円の減額となり、補正後の予算額は、6,899億円となっています。
なお、建設事業等に係る繰越明許費については、国の補正予算への対応や用地補償交渉の遅延等により、12月補正予算での設定分と合わせ、335億3,200万円を予定しています。
議案第54号から議案第68号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか14会計について、いずれも最終整理による所要の補正を行うものです。
議案第69号は、平成27年度に県が行う建設事業に要する経費の最終確定に伴い、市町が負担すべき金額を変更することについて、県議会の議決をお願いするものです。
その他
この際、御報告申し上げます。
訴えの提起をすること、訴訟上の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。
また、地方独立行政法人山口県産業技術センターの常勤職員の数について、地方独立行政法人法の規定により、別添のとおり報告します。
以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。