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令和3年2月県議会定例会知事議案説明要旨
はじめに
本日は、令和3年度当初予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。
議案の説明に先立ち、新型コロナウイルス感染症の状況について、御報告申し上げます。
世界各地で感染の拡大が続いており、国内でも年明けに大都市圏を中心とした感染拡大により、連日過去最多の新規感染者数を記録しました。
こうした中、国においては、先月7日、東京都をはじめとする一部地域を対象に緊急事態宣言が発出され、また今月13日には、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行され、都道府県が実効性のある対策を取れるようにするための措置が講じられたところです。
現時点においても、来月7日までを期間として、一部地域について、緊急事態宣言が継続されていますが、何としても感染を抑え込み、再び、安心と希望をもって暮らしていける日々を取り戻すため、国と全ての都道府県が結束して、全力を尽くしていかなければなりません。
また、国が感染対策の決め手としている新型コロナウイルスのワクチン接種について、本県においても、市町や医師会等の関係機関との連携の下、迅速かつ円滑な実施に向けて、新たに対策会議を設置するなど、体制の強化を図ったところです。
私は、今後も引き続き、新型コロナウイルスから県民の皆様の命と健康を守ることを最優先に、国や市町、関係機関等と緊密に連携し、感染の抑制や医療提供体制の確保など、各般の対策に全力を挙げてまいります。
次に、今後の県政運営に当たっての私の所信を申し述べさせていただき、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
県政運営の基本方針
人口減少をはじめ、県政が直面する諸課題を克服し、未来を切り拓いていくため、本県の強みを活かし、潜在力を引き出して、さらに伸ばしていくという考えの下、私は、やまぐち維新プランを策定し、活力みなぎる山口県の実現に向けた県づくりの取組を進めてきました。
しかしながら、新型コロナウイルスの出現により、感染拡大を防止するため、外出や移動の自粛など、人と人との接触機会の低減が求められ、これに伴い社会経済活動が大きく落ち込み、県づくりの取組にも影響が生じています。
一方で、感染の拡大は、人口密度が高く、経済機能等が集中する大都市圏のリスクを顕在化させるとともに、テレワークの普及を通じて、地方移住への関心が高まるなど、国民の意識や行動にも大きな変化をもたらしています。
国においては、これを社会変革の契機と捉え、ウイルスの存在を前提とした「新たな日常」の構築を目指して、社会全体のデジタル化が強力に進められようとしており、我が国の未来に向けた経済成長を牽引し、Society5.0と言われる超スマート社会を実現するとされています。
デジタル化は、現在の危機をチャンスに変え、これからの成長につなげる原動力となるものであり、とりわけ、地方においては、都市との格差を解消し、県民生活の質の向上や産業の活性化に向けて、大きな可能性を有しています。
そのため、「新たな日常」の中で、デジタル化等の変革の恩恵を県民があまねく享受し、これまでより豊かで安心・安全に暮らすことができる社会こそが、目指すべき未来の姿であると考え、未来技術の社会実装等の取組を進めてきました。
今後は、国の政策とも呼応し、県政の様々な分野でデジタル化を強力に進め、これまで取り組んできた未来技術の社会実装を一気に加速させるとともに、地方移住への関心の高まりを捉え、本県への新たな人の流れをさらに創出・拡大させていきたいと考えています。
私は、直面する感染症の危機を克服し、活力に満ちた山口県の未来を切り拓いていくために、感染拡大の局面で生まれた社会変革の動きを施策推進に確実に取り込み、より大きな成果につなげていく決意です。
活力みなぎる山口県の実現を必ず成し遂げていくという強い思いをもって、市町や関係団体、県民の皆様と共に、県づくりの取組を力強く、前に進めてまいりますので、県議会をはじめ、県民の皆様の、より一層の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
令和3年度当初予算
それでは、令和3年度の当初予算編成について、御説明申し上げます。
まず、我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きがみられるとされています。一方、先行きについては、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があるとされています。
こうした情勢の下、国においては、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を通じて、雇用と事業を支えながら、感染拡大を防止するとともに、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図り、防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保を進めるとしています。
このため、国の令和3年度一般会計予算案は、いわゆる15か月予算の考え方の下、総合経済対策に基づく第三次補正予算と合わせ、国民の命と生活を守るため、感染防止対策に万全を期するとともに、将来を切り拓くため、デジタル社会・グリーン社会の実現や、全世代型社会保障の構築など、中長期的な課題にも対応するものとして編成されました。その総額は、前年度に比べ、3.8パーセント増の106兆6,097億円となっています。
なお、財政健全化については、引き続き、「新経済・財政再生計画」に基づき、2025年度の国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化等を目指していくこととされています。
次に、令和3年度の地方財政については、感染症の影響により、国・地方を通じて税収の大幅な減少が見込まれるなど極めて厳しい財政状況の中、感染症対応や社会保障関係費、デジタル化の推進、防災・減災対策等に係る歳出増を踏まえ、一般財源総額については、実質的に前年度を上回る額が確保されています。
この結果、地方財政計画の規模は89兆8,060億円となり、地方交付税の不交付団体に係る水準超経費を除けば、前年度に比べ0.4パーセントの増となったところです。
また、想定を超える大幅な減収が見込まれる地方消費税等について、減収補てん債の対象税目に追加するなど、地方財政の安定的な運営に必要な財源の確保に向けて、地方の要請に沿った措置が講じられています。
このような国・地方を取り巻く諸情勢を背景に、予算編成に当たりましたが、今後の県税収入等における感染症の影響が不透明であり、県財政は依然として厳しい状況です。
しかしながら、こうした中にあっても、県民の命と健康を守ることを最優先に、更なる感染拡大に備え、柔軟かつ万全の対策を講じるとともに、低迷している社会経済活動の段階的な引上げを進めていく必要があります。
その上で、未来を見据えた県づくりを前に進めるため、感染状況等を見極めながら、国の政策にも呼応し、県政の様々な分野でデジタル化を強力に進めるなど、感染拡大の局面で生まれた社会変革の動きを県の施策推進に確実に取り込み、より大きな成果へとつなげていかなければなりません。
この考えに立ち、来年度予算については、「新型コロナウイルス感染症対策の徹底と経済活性化の両立」、「危機から生まれた変化を成長へつなげる県づくりの加速化」、「国の経済対策に呼応した緊急課題への対応」を3つの柱として、15か月予算の考えの下、令和2年度2月補正予算と一体的に、その編成に取り組んだところです。
それでは、最初に、予算編成における1つ目の柱である「新型コロナウイルス感染症対策の徹底と経済活性化の両立」について、御説明申し上げます。
世界各地で新型コロナウイルスが猛威を奮う中、県内でも複数のクラスターが発生し、新規感染者の確認が後を絶たない状況となっています。
そのため、更なる感染拡大を食い止め、そして、感染状況を見極めつつ、低迷する社会経済活動を段階的に引き上げていくことが、目下の最重要課題です。
この度の予算編成においても、引き続き、感染症対策の徹底と経済活性化の両立を図るため、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等の財源を最大限に活用し、しっかりと予算の重点配分を行いました。
感染拡大の防止に向けて、まず、医療機関等で行うPCR検査等について、現行の実施体制を維持し、更なる感染拡大に備えた検査体制を適切に確保します。
また、入院患者の受入病床や宿泊療養施設を引き続き確保した上で、医療機関への機器整備等の支援など、医療提供体制の強化に取り組みます。
さらに、感染症に関する専用相談窓口の継続設置や保健所の体制確保、社会福祉施設等における感染対策の支援等を通じて、感染拡大の防止の徹底を図ります。
次に、県民生活の安定に向けて、収入が大幅に減少した生活困窮者等に対する住居確保給付金の支給や、家計急変世帯の高校生等に対する授業料減免等により、引き続き、困っている方に寄り添う支援を行っていきます。
次に、県内経済の下支えに向けて、まず、感染拡大の影響による資金需要に対応するため、中小企業制度融資の新規融資枠をしっかりと確保します。
また、企業内の配置転換や求職者の新たな技能習得等を支援し、雇用の維持・創出等を促進するとともに、インターネットを活用した販路拡大の支援により、県内事業者の収益確保を図ります。
次に、消費需要の喚起に向けて、まず、感染拡大の防止対策が施された公共交通機関との連携など、安心・安全を前面に打ち出し、観光客のニーズに沿った観光プロモーションを効果的に展開します。
また、オンラインでの観光PRイベントの開催など、感染状況に臨機応変に対応できるよう、インターネットを活用したプロモーションの取組を強化していきます。
なお、これらの取組については、感染の収束状況を踏まえ、令和2年度2月補正予算に計上した、プレミアム宿泊券の発行等による観光需要や県産農林水産物の需要回復・拡大に向けた取組と一体的に、切れ目なく実施し、消費需要の喚起を図っていくこととしています。
次に、予算編成における2つ目の柱である「危機から生まれた変化を成長へつなげる県づくりの加速化」について、御説明申し上げます。
全国的な感染拡大に伴い、人と人との接触機会の低減に向けたテレワークの導入をはじめ、社会全体のデジタル化に向けた動きが急速に進んでいます。
先にも述べたように、デジタル化は社会変革の原動力となるものであり、社会経済活動が停滞する中にあっても、未来に向けた県づくりをしっかりと前に進めていくためには、デジタル化を通じて、これまでより豊かで安心・安全に暮らしていける社会の実現を目指していく必要があります。
このため、この度の予算編成においても、市町をはじめ様々な主体と連携・協働しながら、県政の幅広い分野でデジタル改革を強力に進め、危機から生まれた社会変革の動きを県の施策推進に確実に取り込んでいきます。
デジタル化の推進に向けて、まず、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを全県的に推進する拠点を整備し、地域課題の解決のための助言や技術支援、人材育成、共同利用可能な情報基盤の構築などに取り組みます。
また、県政の様々な分野において、デジタル技術を活用した取組を積極的に展開していきます。
子育ての分野では、安心して妊娠・出産・子育てができる環境を整備するため、市町等との連携の下、全国初となるAIを活用した総合的な子育て支援システムを導入するとともに、SNSを活用した相談体制を国の取組に先駆けて実施します。
教育の分野では、今年度整備した1人1台タブレット端末等のICT環境を最大限に活用し、児童生徒一人ひとりに最適な指導を継続して行える環境の構築や、オンラインによる複数校の連携授業や海外・県外との遠隔授業の実施等に取り組むことにより、「やまぐちスマートスクール構想」を推進します。
防災・インフラ点検の分野では、河川や橋りょうの維持管理の高度化・効率化を図るため、データのAI解析等による監視・点検を実施し、異状の早期発見に向けて取り組みます。
中堅・中小企業の支援の分野では、DXを通じた企業の持続的成長を促進するため、クラウドサービスの導入やシステム構築、人材育成などについて、企業の取組状況に応じたきめ細かな支援を行います。
また、産学公連携の下、先端研究機器の遠隔利用等の基盤を構築するとともに、デジタル技術によるものづくり企業の高度化やデジタル人材の育成等に取り組みます。
さらに、DXを活用した職場環境の好事例の創出により、社会変革に対応した新しい働き方の定着を図るとともに、オンラインによる就職・採用活動の支援を通じて、県内就職を促進します。
このほか、商店街におけるDXを推進するため、デジタル技術を活用したビジネスモデルの創出に向けた実証等に取り組みます。
農林水産業の分野では、まず、県産農林水産物の更なる需要拡大を図るため、インターネットの利用機会の増加など、感染拡大に伴う消費行動の変化に対応し、地産・地消促進アプリや動画配信サービス付きのカタログギフトの開発等に取り組みます。
また、後継者不足に対応するため、「農の継活」として、農業経営資産をデジタル技術の活用により可視化し、円滑な経営継承を支援します。
さらに、畜産農家と関係機関が牛の個体情報を共有し、飼養管理の省力化や生産性の向上を図るクラウドシステムの導入や、漁業者の収益性向上に向けた生産・流通体制の実証、林業現場の労働環境の改善などに取り組みます。
このほか、様々な分野における地域課題解決に向けた取組として、AI技術による大麻乱用の未然防止や、VR動画などのデジタル技術による少年の自主防犯意識の高揚、アプリを通じた家庭部門における温室効果ガスの排出削減等に取り組むほか、介護・障害福祉サービス等における業務の効率化のためのICTやロボット技術の導入などを支援します。
また、全県的なデジタル化の推進に向けて、県が率先して取り組むため、行政のオンライン手続きの拡大やAI技術による県民相談サービスの向上、県立の博物館や図書館のオンラインによる新しい活用方法の導入などを推進します。
こうしたデジタル化の流れと同様に、国民の意識や行動が変化し、地方移住への関心が高まっていることから、これを好機と捉えて、本県への新たな人の流れの創出・拡大を図ります。
まず、都市部の働き手を県内に呼び込むため、県庁でのテレワークのモデルオフィスの開設や、今後の普及拡大が見込まれるワーケーションの誘致を行うための全県的な推進体制の構築などに取り組み、テレワーク・ワーケーションを一体的に推進していきます。
また、交流人口の更なる拡大を目指して、県内各地のキャンプ場を拠点に、アウトドアスポーツによる新しいツーリズムを展開するとともに、県内観光事業者の情報発信力の向上の支援や、県立美術館の収蔵品のデジタル化等による魅力の創出に取り組みます。
さらに、デジタル化をはじめ、感染拡大の局面で生まれた社会変革の動きを取り込み、成長へとつなげていくためには、それを支える人材の育成が不可欠です。
そのため、本県の将来を担い、未来を切り拓いていく若者たちに向けて、子どもの創造力や表現力を伸ばし育てるワークショップの開催や、グローバルとローカルの視点を兼ね備える人材の育成プログラムの実施、幼児教育と保育の一体的な推進体制の整備等に取り組みます。
次に、予算編成における3つ目の柱である「国の経済対策に呼応した緊急課題への対応」について、御説明申し上げます。
この度の予算編成では、国の総合経済対策に呼応し、感染症対策をはじめとする本県の緊急課題に切れ目なく、迅速に対応していくため、令和2年度2月補正予算に関連事業を計上し、令和3年度当初予算と一体的に実施していきます。
主な事業として、まず、感染症の拡大防止策として、国が対策の決め手としているワクチン接種について、その円滑な実施に向けた供給体制の構築等を速やかに実施するとともに、宿泊療養施設において療養者の健康状態を測定できる機器を整備し、サポート体制の更なる充実を図ります。
また、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現のための取組として、デジタル化に対応した産業教育装置を専門高校等に整備するとともに、農林水産業の成長産業化に向けた基盤整備等を推進します。
さらに、防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保の取組として、災害等に備えた高齢者施設等に対する非常用自家発電設備等の整備の支援や老朽ため池の整備、河川改修等を実施します。
なお、予算編成方針時点で70億円と見込んでいた来年度の財源不足については、歳入面において、社会保障関係費の減少等の変動要因の反映や臨時交付金等の財源の活用を行うとともに、歳出面においても、事業費の節減や合理化等を徹底することにより、最終的な財源不足は45億円まで改善し、これについて、財源調整用基金の取崩しにより対応したところです。
この結果、財源調整用基金については、臨時交付金の追加交付等による今年度中の積戻しと合わせて、来年度末の基金残高が95億円となり、現時点では100億円を下回る見込みとなっています。
感染症の収束状況が見通せない中、当面は、感染拡大の防止等の対策に全力で取り組む考えですが、一方で、財政の健全化も図っていく必要があることから、引き続き、選択と集中の徹底や財源確保に努め、その両立を目指していきます。
これらの結果、議案第1号に係る一般会計の総額は、前年度当初予算に比べ、11.7パーセント増の7,528億9,300万円となったところです。
なお、一体的に編成を行った令和2年度2月補正予算の国の経済対策関連事業分300億600万円と合わせますと、一般会計予算の総額は、前年度当初予算に比べ、実質16.1パーセントの増となっています。
一方、歳入予算については、まず、県税収入について、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益や個人所得の減少等を背景に、法人関係税、個人県民税等の大幅な減収が見込まれることから、前年度当初予算に比べ、10.4パーセント減の1,611億1,200万円を計上しています。
また、地方財政対策に伴い、地方交付税については、前年度当初予算に比べ、4.9パーセント増の1,798億7,000万円を見込むとともに、県債については、臨時財政対策債の増加等により、前年度当初予算に比べ、20.6パーセント増の819億2,400万円を計上しています。
以上が、議案第1号に係る令和3年度一般会計予算の概要です。
次に、議案第2号から議案第17号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、その予算規模は、母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか15会計を合わせ、総額3,140億9,200万円となっています。
条例、事件議決
議案第18号から議案第53号までは、条例の制定、改正及び廃止に関するものです。
その主なものを御説明しますと、
議案第18号は、犯罪被害者等の支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進について、必要な事項を定めるため、山口県犯罪被害者等支援条例を制定するものです。
議案第19号から議案第52号までは、いずれも条例の一部を改正するものであり、県央部多部制定時制・通信制高校の整備に伴い、県立山口松風館高校を新設するなどのため、それぞれ関係条例の一部を改正するものです。
議案第53号は、食品衛生法の一部改正に伴い、魚介類行商が届出対象に整理されたことから、許可制の廃止等を行うため、条例を廃止し、関係条例の一部を改正するものです。
議案第54号から議案第57号までは、外部監査制度に係る包括外部監査人との契約の締結等に係る事件議決に関するものであり、それぞれ県議会の議決をお願いするものです。
議案第58号から議案第62号までは、人事案件に関するものであり、
議案第58号は、教育長の任命について、
議案第59号は、人事委員会の委員の選任について、
議案第60号は、監査委員の選任について、
議案第61号は、山口県日本海海区漁業調整委員会の委員の任命について、
議案第62号は、山口県瀬戸内海海区漁業調整委員会の委員の任命について、
それぞれ県議会の同意をお願いするものです。
まず、教育長 浅原司氏は、来る3月31日をもちまして、その任期が満了いたします。
また、人事委員会委員 守田孝恵氏から、任期途中ではありますが、来る3月31日をもちまして、辞任したい旨の申し出がありました。
また、監査委員 木村進氏は、来る3月31日をもちまして、その任期が満了いたします。
つきましては、後任の教育長・委員の任命及び選任を要するのですが、私としては、教育長には繁吉健志氏、人事委員会委員には伊東美佐江氏、監査委員には河村邦彦氏をそれぞれ最適任と考え、ここにお諮りいたします。
次に、山口県日本海海区漁業調整委員会及び山口県瀬戸内海海区漁業調整委員会については、漁業法の海区漁業調整委員会に係る規定が改正され、昨年12月に施行されました。
つきましては、両委員会の委員の任命を要するのですが、私としては、お手元に配付しました委員候補者の各氏を最適任と考え、ここにお諮りいたします。
なお、各氏の御経歴は、お手元に配布しました履歴書のとおりです。
令和2年度補正予算等
議案第63号から議案第78号までは、令和2年度の各会計に係る補正予算に関するものです。
議案第63号は、一般会計補正予算です。
今回の補正予算は、国の経済対策に対応し、臨時交付金の活用や補助・直轄公共事業の追加実施を行うとともに、県税収入等の歳入財源の確定見込み及び各事業の最終見込みにより、所要の補正を行うものです。
まず、歳入予算についてですが、県税収入について、法人二税や地方消費税等において、減収が見込まれることなどから、100億5,900万円の減額補正を行っています。
また、地方交付税については、7月算定等の結果、36億6,400万円を増額するとともに、その他、国庫支出金及び県債等については、歳出予算との関連など、確定見込みにより、それぞれ所要の補正を行っています。
次に、歳出予算については、まず、国の経済対策関連経費として、防災・減災対策等の補助・直轄公共事業223億8,400万円を増額するとともに、医療提供体制の確保等の国の補正予算関連事業35億7,400万円を計上しています。
また、新型コロナウイルス感染症に切れ目なく、迅速に対応するため、臨時交付金活用事業40億4,700万円を計上し、令和3年度当初予算と一体的に実施することとしています。
このほか、災害復旧費における最終整理、その他事業の最終見込みによる所要の補正を行うとともに、年度間の財源調整を図るため、地方財政法の規定に基づき、令和元年度決算剰余金の一部を含め、財政調整基金に127億円を積み立てることとしています。
以上の結果、議案第64号に係る一般会計補正予算の総額は、2,335億6,200万円の減額となり、補正後の予算額は、7,988億2,900万円となっています。
なお、建設事業等に係る繰越明許費については、国の経済対策への対応や用地補償交渉の遅延等により、11月補正予算での設定分と合わせ、638億4,700万円を予定しています。
議案第64号から議案第78号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、中小企業近代化資金特別会計ほか14会計について、いずれも最終整理による所要の補正を行うものです。
議案第79号は、令和2年度に県が行う建設事業に要する経費の最終確定に伴い、市町が負担すべき金額を変更することについて、県議会の議決をお願いするものです。
その他
この際、御報告申し上げます。
工事請負契約の一部を変更すること、訴訟上の和解をすること、訴え提起前の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。
また、地方独立行政法人山口県産業技術センターの常勤職員の数について、地方独立行政法人法の規定により、別添のとおり報告します。
以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。