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基地関係・平成30年12月に発生した接触墜落事故の調査結果の説明について
令和元年11月29日公開(令和元年12月6日更新)
平成30年12月に発生した米軍岩国基地所属機の接触墜落事故の調査結果について、防衛大臣政務官が来庁し、県等に説明を行い、県からは再発防止等について要請を行いました。説明・要請等の概要は下記のとおりです。
記
1 日時
令和元年11月29日(金曜日)13時30分~
2 場所
山口県庁
3 来庁者
防衛省 岩田和親 防衛大臣政務官
4 応対者
村岡知事、柳居県議会議長、米本和木町長、岡村周防大島町副町長
5 来庁目的
平成30年12月に発生した米海兵隊岩国飛行場所属のF/A-18とKC-130Jの接触墜落事故の調査結果に係る追加説明
6 これまでの防衛省からの情報提供
別添1_令和元年10月15日付_防衛省・外務省資料[PDFファイル/189KB](県への説明は10月16日)
「米海兵隊岩国飛行場所属機2機の空中接触による墜落事故に関する調査結果について」参照
(事故の概要、調査結果の概要等)
別添2_令和元年11月5日付_中国四国防衛局資料[PDFファイル/61KB]
「米海兵隊岩国飛行場所属機2機の空中接触による墜落事故に関する調査結果について」参照
(規律違反の常態化の事例(手放し操縦や飛行中の読書等)、改善の取組等)
7 今回の防衛省からの説明
別添3_令和元年11月29日付_防衛省・外務省資料[PDFファイル/147KB]
「米海兵隊岩国飛行場所属機2機の空中接触による墜落事故に関する追加説明」及び
「(別紙)沖縄本島沖で発生した米海兵隊岩国飛行場所属機2機の空中接触事故に関する調査結果について」参照
(米側の是正措置、沖縄本島沖で発生した類似事故)
(1)事故調査報告書による事故を引き起こした四つの重大な要因
ア F/A-18Dのパイロットの夜間空中給油に係る練度不足
事故発生当時、当該パイロットは、夜間の空中給油訓練を実施する資格を有していないにも関わらず、当該訓練を実施するよう命ぜられていたこと
イ 部隊上層部による訓練及び運用に対する不十分な監督
夜間の空中給油に係る誤った認可、不十分な飛行前のブリーフィング、搭乗員らによる処方薬及び市販治療薬の不正服用があったこと
ウ F/A-18Dのパイロットの平均を下回る飛行成績
当該パイロットは、教育課程において、一貫して、平均を下回る成績であったこと
エ 職務上ふさわしくない部隊司令の姿勢
当該部隊司令は、規律無視の常態化を蔓延させるなど、上層部に求められる水準のプロ意識が、大きく下回るものであったこと
(2)事故を引き起こした可能性のあるその他の要因
ア 夜間空中給油訓練に適さない暗視ゴーグルの使用
イ 過去に、当該部隊において発生していた、類似の空中接触事故(平成28年4月の沖縄本島沖での事故)に関する事故調査の未実施
(3)3年前の類似の事故に関する内容等
事故調査報告書にある、平成28年4月に発生した沖縄本島沖での事故発生は、本件報告書で初めて言及されたことから、防衛省としても承知するに至ったもの。
当該事故は、沖縄本島沖約270キロメートルの公海上で発生したことから、日本側への通報対象となる事故ではなく、日米合同委員会合意に違反するものではないが、当該事故が、地元の安全に影響を与える重大な事案になり得たこと、国内の所属部隊によるもの、事故機が国内にある嘉手納飛行場に着陸していることを踏まえ、日本側へ積極的に情報提供されるべきものであったと認識している。
今後、このような事案が発生した際には、日本側に速やかに情報提供が行われるよう、改めて、国から米側に申入れを行った。
(詳細は別添3_令和元年11月29日付_防衛省・外務省資料[PDFファイル/147KB]参照)
(4)米軍における改善措置の具体的内容
事故調査の結果を踏まえ、プログラムやマニュアルの見直し、管理体制の改善等に取り組んでいる。
(詳細は別添3_令和元年11月29日付_防衛省・外務省資料[PDFファイル/147KB]参照)
※ 規律違反関係の改善措置
- コックピット内での不適切な行為(読書、髭剃りのまね、自撮り行為など)について、同様の規律違反行為に関する調査を実施し、必要な行政処分や懲戒処分がなされたとともに、コックピット内に持ち込むことが規制されている物についての確認の徹底、操縦中の動作徹底を、改めて搭乗員に教育
- 薬剤の不適切な使用に関して、搭乗前に服用すべきでない薬剤に関する教育を改めて実施するとともに、医療部門とも連携し、服用指導の強化、睡眠障害や疲労状態にある隊員に対して、訓練への参加の可否について、助言を得て上官は、振る舞いのおかしい隊員を適切に把握するよう徹底
- 事故を起こした部隊においては、既に飛行隊長等の複数の飛行隊幹部を解任
(5)米軍における改善の現時点の効果、今後の改善見込
飛行隊幹部解任等の人事措置、隊員への各種教育を進め、現段階において、部隊の規律、飛行計画の策定、搭乗員の管理について、任務を安全かつ的確に遂行しうる態勢にある。
また、同種の事故調査が適切に行われなかったため、類似事故防止のための是正措置が、適切に採られなかったとされており、部隊においては、より幅広い事故やインシデントに対する調査や対策を講ずることを確認している。
(6)防衛省の説明が不十分であった経緯及び防衛省の今後の対応
10月の地元自治体への説明が十分でなかったことは、反省すべき点であったと認識している。
当該報告書は、非常に専門的な内容で、膨大な分量であったため、内容の精査に時間を要し、報告書において初めて言及があった規律違反の横行の実態、沖縄本島沖での事故などについて、改善措置の詳細を、米側に確認している段階であったことから、概要の説明となっていた。
しかし、地元の安全にも影響する重大な事案につながりかねないものであることを踏まえれば、詳細を確認中であったとしても、広く公表を行うべきであったと考えており、米軍の事故に関する公表の在り方について、今後、より幅広い観点から検討し、適切に対処する。
8 知事からの要請
今回明らかにされた規律違反の行為は、安全を著しく軽視するもので、言語道断と考えている。また、これまでの米軍の安全対策や再発防止策への地元の不信を招き、極めて許し難い。
地元自治体として、基地周辺住民の不安が解消されるよう、次のとおり、強く要請する。
(1)国から米側に対し、次の2項目について、強く求めること。
ア 今回の事故調査結果において是正措置・再発防止策として掲げられているプログラムやマニュアルの見直し、管理体制の改善について、確実に実施するとともに、隊員への安全教育、機体の整備点検などあらゆる観点から、抜本的かつ実効性のある安全対策を早急に確立し、再発防止に万全を期すこと。
イ 住民に影響を与えるおそれのある米軍の事件・事故については、可能な限り幅広い情報提供を行うとともに、まだ調査結果が公表されていない航空機事故について、その背景も含めて、徹底的な原因究明を行い、速やかな情報提供と公表を行うこと。
(2)国においては、米側との密接な連携により、次の2項目について、取組を進めること。
ア 今回の事故調査結果に基づく米軍の是正措置・再発防止策の効果を確認するなど、米軍における改善状況を継続的に把握すること。
イ 岩国基地に関係する航空機事故等の発生や事故の調査結果については、米側から積極的に情報を入手し、国の責任において、地元自治体に対し、速やかに、かつ丁寧に情報提供すること。