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漁船事故の防止に向けた安全対策について

ページ番号:0351852 更新日:2026年6月26日更新
 例年、梅雨期及び台風期においては、各地で局地的大雨や集中豪雨などによる海上の荒天が予想され、この時期の漁船事故は、人命に関わる重大な事故となる可能性が高くなります。
 一般的に、漁船事故を防止するためには、気象情報の確認や発航前・航海中・操業時の安全確保を含め、漁業者自身の安全意識の向上が重要です。
 漁業者の皆様におかれましては、以下内容にご留意の上、安全操業に努めていただきますようお願いいたします。

1. 発航前・航海中・操業時の安全確保
 発航前には、「海の安全情報」などで気象警報・注意報や現況等の情報を十分に確認するとともに、荒天時の出航は避けるなど、無理のない航海計画や操業計画を立ててください(参考資料1)。
 航海中・操業時は、常に周囲の見張りを励行していただくともに、洋上でも聴取できる漁業無線局などからの定時の気象や航海安全に係る放送などに注意ください。
 天候の急変等、荒天が予想され、海難等の危険性がある場合には、操業を中止し、安全確保を優先させてください。
 また、荒天時には、重量物の固定やドア・ハッチなどの開口部の閉鎖等を行い、重心を安定させ、船の復元性を確保することが転覆防止につながります。
 帰港時には、漁業無線を通じる等して仲間の船と連絡を取り合って、お互いの安全を確かめてください。

2. ライフジャケットの着用徹底
 海中転落時のライフジャケット着用者の生存率は、非着用者に比べ約1.6倍高くなります。
 平成30 年2月1日から、原則として、全ての漁船について、船室外にいる全ての乗船者にライフジャケットの着用が義務化されていますので、作業環境に適したライフジャケットの例などの周知啓発資料も活用しながら乗船者のライフジャケットの着用を徹底させてください(参考資料2)。

3. 海難が発生した場合の対処
 海難が発生した場合又はその可能性が予測される場合には、人命の安全確保を最優先として対応してください。人命又は漁船の救助に従事した場合も含め、直ちに海上保安庁(118番)へ通報してください。

4.漁船の発航前検査の励行
 船員法(昭和22年法律第100号)及び船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)において、それぞれ発航前検査が義務付けられています。
 このため、エンジンの不具合がないかなど発航前検査を確実に実施してください。発航前検査により異状がある場合には、出航を見合わせる等の判断も重要です。

5.船舶検査の実施
 総トン数20トン以上の漁船及び総トン数20トン未満の漁船のうち12海里を超えて操業するものについては、船舶安全法(昭和8年法律第11号)において定期検査や中間検査の受検が義務付けられていますので、必ず受検してください。

6. Ais(船舶自動識別装置)の導入
 漁船の衝突事故のうち約9割が見張り不十分等の人為的要因によるものです。Ais は、船舶の位置、針路、速力等の安全に関する情報を自動的に送受信するシステムで、荒天時でも船舶同士の動きが確認しやすくなり、未搭載船に比べ衝突事故リスクを1/2以下に抑えることができます。
 漁船へのAisの導入に当たっては、水産庁補助事業により、高齢漁業者が操船する小型漁船(20トン未満)への導入支援を行っているほか、日本漁船保険組合において、Ais又は簡易型Aisを搭載した漁船について保険料を一部助成する事業を行っておりますので、御活用ください。また、自船と周辺船舶の位置情報等をスマートフォンに表示し、接近等の場合はアラームにより衝突等を未然に回避するアプリケーションも無料で利用できますので、御活用ください
(参考資料3)。

7. 労働災害防止のための研修
 漁業における労働災害発生率は、陸上における全産業の平均の約4倍と高い水準にあります。労働災害を未然に防止するため、水産庁の補助事業により、「漁業カイゼン講習会」や「漁業安全責任者講習会」を全国で開催し、労働環境の改善や海難の未然防止などの知識を持った「安全推進員」やその安全推進員を指導する「安全責任者」を養成しています。受講料は無料となっていますので、積極的に御活用ください(参考資料4)。
 また、水産庁では、安全対策のためのチェックポイント等を分かりやすく伝えるための映像コンテンツを作成しておりますので、個人での視聴や安全研修等にご活用ください(参考資料5)。

8. 漁船の電気火災の防止
 漁船における火災事故の多くは電気的要因によるものです。漁労設備や照明、魚群探知機などの電気設備やその配線は、日光、風雨、海水などにさらされ、劣化しやすい環境に置かれていることから、定期的に点検してください。

9. 職場における熱中症対策の強化
 近年、気候変動による気温の上昇に伴って猛暑日が年々増加する中、漁業分野においても、熱中症疑いの事案が増加しています。水分補給の徹底や労働安全衛生法施行規則(昭和47年労働省令第32号)により義務付けられている熱中症のおそれがある者に対する処置の手順作成・周知などの対策を行ってください(参考資料6)。

10. 労災保険への加入
 考え得る十分な安全対策を講じていたとしても、人が作業に携わる限り事故の発生リスクをゼロにすることはできません。経済的補償措置の備えが重要ですので、労災保険への加入をお願いします。経営者や家族従事者についても、特別加入やその他の任意の民間保険に加入をお願いします。
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