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林道事業の概要
1 林道の役割
森林は、県民の生活に必要な木材等の林産物を供給するだけではなく、清らかな水と空気を育み、災害から生命・財産を守り、多様な生態系を支えるなど重要な役割を果たしています。
こうした地球温暖化防止、水資源の確保、国土保全など森林の有する多面的な機能を十分に発揮させるためには、造林、保育、間伐等の森林整備を効率的に実施することが必要です。
林道は、こうした整備が必要な森林へのアクセスなど、機械化の促進による効率的な林業経営の展開、山村地域の方々の生活環境の改善など重要な役割を果たしています。
森林の適切な管理・保全
森林の手入れが容易に行われるようになり、健全な整備が促進されて、二酸化炭素の吸収、水源のかん養、災害防止等の「森林の公益的機能」が持続的に発揮されます。
萩市【三見・木間線】
林業・林産業の振興
森林内で伐採した木材の搬出・運搬が容易になり、また、高性能林業機械の奥地への乗り入れが可能になるなど、効率的で安定的な林業経営の確立を通して、林業・林産業の振興が図られます。
周南市【高岳線】
山村地域の生活環境の改善・災害時における避難道や迂回路等
中山間地域に暮らす方々の、市街地や学校・病院等の公共施設へのアクセス道として、また、災害時等における避難道や迂回路としても重要な役割を果たしています。
岩国市【石童山線】
保健休養機能の発揮
森林浴、キャンプ、登山、ハイキングなどのレクリエーションを楽しむ人々のアクセス道としても活用されています。
下関市【白滝線】
2 林道の種類
森林の整備は急峻な山地で行われることが多く、規格の大きな林道だけでは森林の奥まで入ることはできません。このため、地形や目的に応じて、林業専用道、森林作業道なども併せて開設し、林道と森林作業道を組み合わせた林内路網を整備することで、効率的な作業を行うことができるよう整備を進めています。
林道
- 大型トラックや一般車の通行を想定した通行頻度の高い恒久的な道
- 効率的な森林整備や地域産業の振興を図る上で骨格的な役割を果たすとともに、森林、山村、市街を結び、共生や交流の基盤となる施設
岩国市【二鹿・川越線】
林業専用道
- 林道から分岐し、林業を営む上で森林施業等が必要な山林につながる道
- トラックや林業用車両の走行を想定した必要最小限の規格・構造を有する丈夫で簡易な道
岩国市【須川高根線】
森林作業道
- 骨格となる林道及び林業専用道から分岐し、森林所有者や林業事業体が森林整備等を行う森林へつながる道
- 主に林業用機械の走行を想定した経済性を確保しつつ丈夫で簡易な構造
美祢市【森林作業道<美祢市大田東山地区>】
林内路網イメージ図
3 山口県の林道等
本県では、林道や森林作業道が、林業の生産性向上、県産材の安定供給、山村地域の振興、生活環境の改善等を図るとともに、森林の多面的機能を高度に発揮させるための重要な施設として、計画的に整備を進めています。
(1)これまでの整備状況(令和5年3月末現在)
民有林面積 |
林道(自動車道)※1 |
林道(軽車道)※2 |
林道計 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
延長(km)(B) |
路線数 |
密度(m/ha)(B/A) |
延長(km)(C) |
路線数 |
延長(km)(D=B+C) |
路線数 |
密度(m/ha)(D/A) |
|
425 |
1,572 |
1,144 |
3.70 |
326 |
378 |
1,898 |
1,522 |
4.47 |
※1 林道(自動車道)・・・幅員3.0m以上
※2 林道(軽車道)・・・・幅員3.0m未満
民有林面積(千ha) |
林道計(再掲) |
森林作業道 |
林内路網計 |
|
---|---|---|---|---|
延長(km) |
延長(km) |
延長(km) |
密度(m/ha) |
|
425 |
1,898 |
2,894 |
4,792 |
11.28 |