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令和7年9月定例会 請願 使用済核燃料「中間貯蔵施設」の上関町への建設に反対することを求めることについて

ページ番号:0319965 更新日:2025年9月29日更新

件名

使用済核燃料「中間貯蔵施設」の上関町への建設に反対することを求めることについて​

請願者

上関原発を建てさせない山口県民連絡会 共同代表 木村 力 共同代表 内山 新吾

紹介議員

木佐木 大助、藤本 一規、河合 喜代、中嶋 光雄、井原 寿加子

要旨

 8月29日、中国電力の大瀬戸聡常務が上関町役場を訪問し、使用済核燃料「中間貯蔵施設」建設のための立地可能性調査について、「中間貯蔵施設の立地が可能であると判断した」として、西町長に調査の報告書を提出した。西町長は面会後の記者会見で「調査結果を踏まえて、議会、町民の皆様がどのように判断されるのかしっかり見極めて、次の段階へ進められれば進めるし、進められなければ進められない、ということになると思います」と述べた。同日、中国電力はホームページで上関町に提出した報告書を公開した。
 中国電力は報告書の概要で、総合評価として、「実施した9項目全ての調査において施設の立地に支障となるデータがないことを確認した」としている。報告書には「地盤に関しては、調査地点付近において活断層等は確認されなかった。加えて、施設の基礎地盤となりうる堅硬な岩盤が存在することを確認した。なお、調査地点周辺の陸海域で確認した活断層については、耐震設計等に適切に反映することで対応可能と判断した」、「上関町大字長島の当社所有地内への乾式貯蔵による使用済燃料中間貯蔵施設について、立地の支障となる技術的に対応できない問題はないものと評価し、立地は可能であると判断した」との記載がある。
 しかし、県民の安全を考慮すると、この報告書には大きな疑問がある。調査地点付近に限って活断層が確認されなかったとし、調査地点の周辺で確認した活断層に対しては耐震設計で対応が可能だとする評価がされている。これは周辺の活断層の存在を軽視するものである。計画地で尾根を削り、沢を埋めて造成する立地では、崖崩れ、地滑り、土石流のリスクがあり、固い地盤の上の造成物は地震動が増幅されると指摘する科学者もいる。中国電力の評価は、限られた調査に基づく、科学的な根拠が不十分なものである。
 原子力規制委員会の規則では、使用済核燃料の中間貯蔵に使用されるキャスクには、臨界防止機能、遮蔽機能、閉じ込め機能、除熱機能が求められている。使用済核燃料に含まれるウランやプルトニウムは自発核分裂を起こす性質を持っているため、地震等でキャスクに変形が起こった場合、キャスク内でそれらが集合して臨界を起こす危険性がある。気候危機によって過酷な自然災害が起きている現在、空気で冷却されているキャスクが、土砂に埋まり冷却できなくなるだけでも、原子力事故を起こす可能性が否定できない。上関町に使用済核燃料「中間貯蔵施設」が建設され、自然災害と原子力災害が同時に起きるという事態は、絶対に回避しなければならない。加えて、キャスクが輸送時に事故、被災した場合、山口県だけでなく西日本、及び日本中に影響を与えるおそれがある。
 中国電力は9月11日に、上関町議に対して、上関町に提出した報告書についての説明を非公開で実施した。田布施町では東浩二町長が、9月10日、町議会本会議の場で、賛成・反対双方の専門家を招いてのシンポジウムを開催したい考えを表明した。平生町の浅本邦裕町長は、9月10日の町議会本会議の場で、国に対し住民への説明を求める意向を表明した。
 中国電力の調査結果を受けて、周辺の複数の自治体が対応に動いているのは、柳井市や田布施町におけるアンケート調査で7割の住民が反対をしているように、住民からの反対の声が大きいためである。こうした中、中国電力が広く住民に対する説明会を実施しようとしていないことも問題である。
 山口県議会は、県民の安心・安全の確保に責任を持つ立場から、中国電力が中間貯蔵施設の規模を盛り込んだ具体的な事業計画を示すことを待たずに、使用済核燃料「中間貯蔵施設」を山口県に造らせないという意思表明をし、その建設にストップをかけるべきである。
 よって、下記のとおり、決議を採択されるよう請願する。

                      記

 中国電力及び関西電力による上関町での使用済核燃料「中間貯蔵施設」の計画は、かけがえのない自然を破壊し、上関町住民はもとより、周辺自治体、山口県、瀬戸内海沿岸、西日本の住民の生命、健康、生業、及び財産を脅かすものである。上関町や瀬戸内海の美しい自然を残して住民が安心して暮らせる生活環境を守り、次の世代に手渡すことこそ、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本」とする地方自治法にかなうものである。
 よって山口県議会は、次のとおり決議する。
 
 1 上関町での使用済核燃料「中間貯蔵施設」の建設に反対する。
 2 山口県知事に対し、上関町での使用済核燃料「中間貯蔵施設」の建設に向けた手続に同意しない    
   よう求める。

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