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参議院議員選挙制度改革に関する意見書
平成29年9月定例会
(平成29年10月6日)
昨年の第24回参議院議員通常選挙では、一票の格差を是正するために、憲政史上初めて都道府県を単位とする選挙区を改め、「鳥取県及び島根県選挙区」、「徳島県及び高知県選挙区」を一つの選挙区とする合区による選挙が施行された。
合区が実施された県では、それぞれの県から代表者を選出することができず、有権者の間に不公平感が高まり、該当する選挙区の多くで投票率が最低を記録するなど代表民主主義の根幹にかかわる事象が見られる。
都道府県は、130年近い歴史の中で、政治的、経済的、社会的、文化的に一体感が醸成されてきた。広域的な地方自治行政の単位として都道府県以外に、説得力のある線引きを見出すことができない。特定の都道府県にだけ選出参議院議員がいないという事態を放置すれば、都道府県全体の意見を国政に反映する政治的プロセスが機能しない。国の喫緊の課題である地方創生を推進する上でもゆゆしき問題である。
仮に、大都市部への人口集中の流れがやまない中で、今後も合区により一票の格差の是正を図っていけば、合区対象となる県が次々と広がる懸念があり、地方の声が国政に反映できなくなる。
今回の合区による選挙は、違憲状態を解消するために、あくまで緊急避難措置として行われたものであり、国におかれては、改正公職選挙法の附則に参議院議員選挙の抜本的見直しを行うことが規定されていることを踏まえ、早急に合区を解消し、都道府県を単位とする代表が、国政に参加することが可能となる選挙制度を構築するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、内閣官房長官